2026年6月10日、スペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリアで、中央にそびえる最も高い塔「イエス・キリストの塔(イエスの塔)」の完成を祝う式典が開かれました。この日は、設計者アントニ・ガウディの没後100年にあたります。
では、サグラダ・ファミリアは「完成した」のでしょうか。答えは「塔は完成、建物全体はまだ」です。正面にあたる「栄光のファサード」や大階段などの工事が残っていて、2034年ごろまで続く見通しです。この記事では、完成式典の様子、全体の完成はいつか、イエスの塔に登れるのか、チケット料金、そして日本人の主任彫刻家・外尾悦郎さんまで、2026年10月時点の情報でまとめます。
📌 この記事のポイント(サグラダ・ファミリアの完成)
- 2026年6月10日、ガウディ没後100年に「イエスの塔」の完成式典。教皇レオ14世がミサをささげた
- イエスの塔は高さ172.5m。2025年10月に世界一高い教会になった
- 建物全体はまだ完成していない。栄光のファサードや大階段などの工事は2034年ごろまで続く見通し
- 塔の内部の工事は2027〜2028年も続く。塔の中に入れる日は、2026年10月時点で公式発表なし
- チケットは公式サイトで基本26ユーロ、塔付き36ユーロ(11歳未満は無料)
- 主任彫刻家は日本人の外尾悦郎さん
2026年6月10日、ガウディ没後100年に「イエスの塔」完成式典
式典の日は、ガウディが1926年に亡くなってからちょうど100年の日でした。ローマ教皇レオ14世がバルセロナを訪れ、スペイン国王フェリペ6世とレティシア王妃が出迎えました。教皇は国王夫妻とともに、塔の頂上の十字架について、視覚障害のある少女が模型に触れながら説明するのに耳を傾けたといいます(バチカン・ニュース)。
教皇は地下聖堂にあるガウディの墓前で祈ったあと、聖堂でミサをささげ、説教でこう述べました(バチカン・ニュース)。
この夜は、バルセロナの街全体、またスペイン、特にカタルーニャの人々にとっての祝祭です
ミサのあと、教皇は聖水をまいてイエスの塔を祝別しました。夜空には色とりどりの光やドローンショーで描かれたガウディの肖像が浮かび、最後は塔の頂上まで照らす花火が打ち上げられました(バチカン・ニュース)。公式Instagramでは、イエスの塔が初めてライトアップされた瞬間の動画が公開されています。
▲ 2026年6月10日、イエスの塔が初めてライトアップされた瞬間(出典:サグラダ・ファミリア公式Instagram @basilicasagradafamilia)
式典の様子は、日本の報道でも伝えられています。
サグラダ・ファミリアの全体の完成はいつ?残りの工事
イエスの塔の完成で、聖堂の中央に集まる6本の塔(イエス、マリア、4人の福音書記者の塔)がそろいました。塔の外側の工事はこれで終わりましたが、塔の内部の工事は2027〜2028年も続きます(サグラダ・ファミリア公式)。
建物全体で残っているのは、主に次の部分です。
- 栄光のファサード:南側の正面玄関。3つのファサードの中で最後に残った部分
- 彫刻や細かな装飾
- 正面玄関へ続く大階段
彫刻や装飾、大階段の工事は2034年ごろまで続く見通しだと報じられています(スミソニアン・マガジン)。2026年10月時点で調べたところ、建物全体の完成日についての公式の発表は見つかりませんでした。
イエスの塔には登れる?チケット料金
2026年10月時点で調べたところ、イエスの塔の中に一般の人が入れる日は、公式には発表されていませんでした。塔の内部の工事が2027〜2028年も続く予定のためです。ガウディは、塔の頂上の十字架を「周りを見渡す」ための場所として構想していました(サグラダ・ファミリア公式)。
いま見学できるのは聖堂の中と、ほかの塔です。公式サイトの料金(1人あたり)は次のとおりです。
| チケット | 基本料金 | シニア | 30歳未満・学生 |
|---|---|---|---|
| 聖堂(音声ガイドアプリ付き) | 26ユーロ | 21ユーロ | 24ユーロ |
| ガイドツアー付き | 30ユーロ | 23ユーロ | 28ユーロ |
| 塔付き | 36ユーロ | 28ユーロ | 34ユーロ |
| ガイドツアー+塔付き | 40ユーロ | 32ユーロ | 38ユーロ |
出典:サグラダ・ファミリア公式「Prices」(2026年10月時点)。11歳未満と障害のある方は無料です。チケットは公式サイトで購入できます。
高さ172.5mで世界一高い教会に
イエスの塔の高さは172.5mで、サグラダ・ファミリアの18本の塔の中で最も高い塔です(バチカン・ニュース)。頂上には、ガラスと白い陶器のタイルでおおわれた、高さ17m・幅13.5mの十字架がのっています(サグラダ・ファミリア公式)。
十字架はドイツで作られ、7つに分けて取り付けられました。2025年10月27日に最初の部品が載って高さ162.91mになり(サグラダ・ファミリア公式)、1890年から世界一だったドイツのウルム大聖堂を超えて、世界一高い教会になりました(スミソニアン・マガジン)。最後の部品が載ったのは2026年2月20日です(サグラダ・ファミリア公式)。
公式Instagramでは、自然の光が聖堂の中に行き渡る様子を「神の存在を表している」と紹介しています。
▲ 聖堂の中に差し込む自然の光(2026年8月2日の投稿/出典:サグラダ・ファミリア公式Instagram @basilicasagradafamilia)
1882年の着工から144年の歴史
サグラダ・ファミリアの建設が始まったのは1882年です。翌1883年、当時31歳のアントニ・ガウディが専任の建築家になり、亡くなるまでこの聖堂に取り組みました(Wikipedia)。
ガウディは1926年6月7日、ミサに向かう途中で路面電車にはねられ、3日後の6月10日に73歳で亡くなりました。ガウディは設計図よりも模型を大切にしていましたが、その模型や資料の多くはスペイン内戦で焼けてしまいました。残ったわずかな資料を手がかりに、工事は今も続けられています(Wikipedia)。
日本人の主任彫刻家・外尾悦郎さん
サグラダ・ファミリアの主任彫刻家を務めるのは、福岡県福岡市出身の外尾悦郎さん(1953年生まれ)です。京都市立芸術大学の彫刻科を卒業しています(Wikipedia)。
外尾さんは25歳のとき、知り合った日本の駐在員を通じて主任建築家との面会にこぎつけ、試験を受けて採用されました。外尾さんは、その試験が今もずっと続いているようなものだと語っています(致知出版社)。
代表的な仕事は、2000年に完成した「生誕の門」の彫刻です。2024年には、ローマ教皇庁のラツィンガー賞を日本人で初めて受賞しました(Wikipedia)。
NHKが完成翌日に生中継
日本では、完成式典の翌日の6月11日夜10時から、NHK総合で「生中継 サグラダ・ファミリア ~ついに完成!イエスの塔 世界初公開~」が放送されました。NHKは事前に、ミサが行われた大聖堂の中から生中継し、主任建築家ジョルディ・ファウリさんへのインタビューや、地上54mの大聖堂の屋根からバルセロナを見渡す映像を届けると発表していました。出演は杏さん、城田優さんほかです(NHK)。
サグラダ・ファミリアの完成についてよくある質問
Q. サグラダ・ファミリアは完成した?
A. 2026年6月に完成したのは、中央の「イエスの塔」です。栄光のファサードや大階段などの工事が残っていて、建物全体はまだ完成していません。
Q. 全体の完成はいつ?
A. 彫刻や装飾、大階段の工事は2034年ごろまで続く見通しと報じられています。2026年10月時点で、全体の完成日についての公式の発表は見つかりませんでした。
Q. 何年かかった?
A. 着工は1882年で、イエスの塔の完成まで144年かかりました。
Q. イエスの塔には登れる?
A. 2026年10月時点では、一般の人が入れる日は公式に発表されていません。塔の内部の工事は2027〜2028年も続く予定です。
Q. 高さはどのくらい?
A. イエスの塔は172.5mで、世界一高い教会です。東京タワー(333m)のおよそ半分の高さです。
まとめ|イエスの塔は完成、サグラダ・ファミリア全体はまだ工事中
- 2026年6月10日、ガウディ没後100年に「イエスの塔」の完成式典が開かれた
- イエスの塔は172.5mで、世界一高い教会になった
- 栄光のファサードや大階段などの工事が残り、2034年ごろまで続く見通し
- 塔の内部の工事は2027〜2028年も続く。塔の中に入れる日は未発表(2026年10月時点)
- チケットは基本26ユーロ、塔付き36ユーロ(公式サイト)
- 日本人の外尾悦郎さんが主任彫刻家を務める
「完成」という言葉は大きなニュースになりましたが、ガウディの聖堂づくりはまだ続いています。
💬 たかやんの一言
「完成」と聞くと全部できあがったように感じますが、調べてみると、完成したのはイエスの塔で、正面玄関の工事はまだこれから。144年かけても続く建設に、ガウディの夢の大きさを感じます。日本人の外尾さんが主任彫刻家を務めているのも、うれしいですね。
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📚 参照元・出典
- バチカン・ニュース「サグラダファミリア『イエス・キリストの塔』の完成祝う教皇ミサ」(2026年6月10日)
- サグラダ・ファミリア公式「Cross lands in sky above Barcelona」(2026年2月23日)
- Smithsonian Magazine「Still Unfinished After 143 Years, Barcelona’s Dazzling Sagrada Familia Is Now the Tallest Church in the World」(2025年11月4日)
- サグラダ・ファミリア公式「Prices」
- NHK「世界遺産『サグラダ・ファミリア』のメインタワー『イエスの塔』完成に合わせた生中継について」(2026年6月9日)
- 致知出版社「なぜサグラダ・ファミリアは、日本人の外尾悦郎に石を彫らせるのか」
- Wikipedia「外尾悦郎」
- Wikipedia「アントニ・ガウディ」

